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Tシャツを売らないTシャツ屋が作ったTシャツ ①〜黎明編〜

■ロックバー『Upset The Apple-Cart』

 

2021年、COVID−19が猛威を振るい、政府が世の飲食店に営業時間の短縮や酒類の提供を要請する中、ロック・バーなる日本独特の営業形態の飲食店も夜の21時以降という稼ぎどきの時間とお酒という存在意義の半分を自らが慎まなければいけないという状況にありました。
ニュースの報道などで聞き知る飲食店のオーナーの嘆きの声も最初のうちは「大変だろうなぁ」と同情したのですが、あまりに長く続くので、少々その感情も慣れによって薄れ始めた頃のことです。
ちょっとしたきっかけで『Upset The Apple-Cart』というロック・バーの店主西川宏樹氏が書いた電子書籍を見つけました。

この書籍、ロックを中心にソウルから歌謡曲までお店でかかる名曲からそうでない曲まで店主が独特の視点で紹介するだけでなく、20代から60代までの幅広い世代にわたる同人(店の仲間達)のコラム寄稿が掲載されており、ロックへの愛や感動が詰まったものでした。
「これは!」
と思った私はロックバー読本全三巻を全て読み、またその読本中のコラムを深堀トークしているPodcastのエピソードを全て聴き、このロックバーに行きたい、西川店主に会ってみたいと思うようになっていました。

ただCOVID−19はいつになっても収束せず、飲食店の自粛営業は続いていました。そんな中で、ロックバー『Upset The Apple-Cart』は土日の16時〜20時の時短営業、バーなのにお酒の提供なし(ソフトドリンクのみ)といった形で一応の営業がされている様子でした。
そこで、お酒は飲めずともロックを聴きに行ってみるかと思い立ち、お店を音連れたのが夏のこと。
ほぼ想像していた通りの強面の西川店主と、大音量でかけられるロックミュージックと、リクエストした曲に対する店主からの絶妙なリプライ曲が楽しくて、自粛期間中の細々と営業されているお店に何度か通ううち、西川店主と会話するようになり、私の好きな音楽だけでなく、私自身の来歴なんかも話すようになり、いつからか私は「Tシャツ屋」と呼ばれるようになっていました。
(私「Tシャツ屋」の来歴についてはこれからも追々お話ししていきたいと思っています)

 

■Tシャツを売らないTシャツ屋

 

オリンピックが終わり、季節が秋になった頃、嘘のようにCOVID−19の新規陽性者数が少なくなったことで、ロックバー『Upset The Apple-Cart』でもお酒の提供が始まりました。そして、最初に入れたバーボンのボトルには「Tシャツ」と書かれました。
ところが、そのTシャツ屋と呼ばれる私はちまちまとデザインを作ってBaseのショップに載せてはいるものの、色々な面で自らTシャツを売っているという宣伝をするにははばかられるような状態でした。なので、お店の常連さんに「どんなTシャツを売っているの?」と聞かれてもなかなか返事もできずにいたのです。
私は自分のことをTシャツを売らないTシャツ屋だと名乗るようになっていました。

それからも、ロックバー『Upset The Apple-Cart』でロックを聴き、お酒を飲んでは楽しく過ごし、西川店主とはPodcastをやったりするようになり、私も何編か書いた駄文を西川店主に見せたり、店の同人誌に載せてもらったりもしました。
西川店主には「楽しくやってる(生きてる)ように見えるな」と言われ、こそばゆいように感じましたが、何かちょっと足りていない感が残っていました。
年が明けた2022年の1月COVID−19オミクロン株の蔓延防止措置が発せられお店は休業に入ってしまいますが、お店からの発信は続けようということでPodcastの収録、配信を続けていた2月、メールで収録の打ち合わせをしていたいると、突然西川店主が脳梗塞で入院されたとメールが入り、とても驚きました。幸い命に別状はないとのことでいたが、結局のところ西川店主がお店を再開するのに3ヶ月近くを要するに至りました。

4月にお店は再開はしたものの、週2回の営業で体力の回復を持って徐々に営業日数を増やして行こうと言ったことを西川店主から伺いました。そして、先ずはお店が15周年を迎える7月をターゲットにイベントを企画したりすることからと言うことでした。
私は復帰した西川店主に「お店のTシャツを作ってもいいか?」と伺ったところ「いいよ」の一言。
『Upset The Apple-Cart』のお店は一切関与していない海賊版のTシャツを作る公認を得たというわけです。
それを何とかイベントに合わせてリリースして、少しでも盛り上がったら楽しいじゃないか、と思ったわけです。
さて、そんなことで、「Tシャツを売らないTシャツ屋」はTシャツを作ることになったワケなのです。
それはほんのちょっと足りない何かを埋めるようなものだったのです。

 

To Be Continued→

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定休日 不定休
代表者名 平井 良直
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